体験記

奈良奥大和「生薬・薬草の旅 2021初夏」

体験記

コスメブランドTHERAをはじめ、奈良×漢方をテーマに様々な事業を開拓する橋本真季氏。同氏の企画するツアーが7/3~7/4の期間で行われ、サトタケも参加してきましたよ。

ツアー名は正確には『漢方の発祥の地 奈良奥大和 生薬・薬草の旅2021初夏』だったのですが、ブログのタイトルには少し長いので勝手に短く表現しちゃいました。参加者はマスク着用、コロナに配慮しながら進行。

7/3の午前は東大寺に訪問。通常は入れない回廊側から東大寺の解説を拝聴。左の写真に写るのは、火災で焼失した東大寺の復興に尽力した重源上人が中国から持ち帰ったとされる菩提樹(シナボダイジュ)。その花は当時、花茶としてお坊さん達が楽しんでいたそうな。

東大寺を見守る位置にある田向山八幡宮(右の写真)では、なら橘プロジェクト推進協議会の城氏による大和橘の植樹のお話を聞きながら、橘のお茶を試飲しました。ミカン科、山椒の変種ということで、スモーキーかつ爽やかなお茶。うまい。

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昼食はそこから徒歩10分ほどの天極堂にて。お料理にかかる葛餡を味わい、ひんやりとした出来立ての葛餅を楽しみましたよ。葛は身体の余分な熱をとると言われており、夏との相性は良いですね。天極堂のスタッフによる葛の解説付き。

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昼食後は車とバスで一気に曽爾村へ。同エリアが今回の主な目的地です。その日のアクティビティは製材所でのキハダの皮むき。キハダは二層目の樹皮が生薬「オウバク」になるので、一層目の外皮を取り除いてから二層目の内皮をムキムキしなくてはダメなんです。乾燥しているものは一層目が取り除きづらく、それに当たった人は汗だくに(笑)。ただ、二層目はむきやすく、「シュコ~」という気持ちの良い音を立てながら心地よく作業が出来ました。す・ご・く・快・感!

採取したキハダの内皮は生薬問屋に納品すると言っていたと思います。写真はないのですが、休憩用に「キハダコーラ」が提供されました。漢方っぽく、スパイシーな大人のコーラ。うまい。

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曽爾村のお宿へ。お料理はボタン鍋やシカ肉のカツ(写真左)といったジビエや、当帰バーグ(大和当帰を使ったハンバーグ、写真右)も頂けて、健康食。薬膳的に獣の肉は体をすごく温めてしまうので暑い日に食べ過ぎは禁物ですが、ビールや冷たいお茶でバランスが取れておりGood。マグロ・イカ・大和当帰が血を補って身体を潤してくれるので、作業して汗をかいた日にはピッタリだったかも。

写真はないですが、お宿の周りは本当に真っ暗。街では体験できない感覚ですね。スマホのライトを頼りに仲間と一緒に川沿いを歩く。そうすると、川の向こう岸がチラチラと光っていました。蛍ですね。その光る昆虫を一通り楽しんだら、部屋に戻って眠りへとつきました。

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7/4。朝の散歩へ。左の写真は兜岳という山だそうな。日本ではなかなか見ない鋭さですね。仲間とブラブラ、どうでもいい写真を撮ったりしながら曽爾村の朝の空気を堪能。

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4日の一つ目のアクティビティは漆。曽爾村は「ぬるべの郷」という地名にもあるように、日本最古の漆産地だったそうです。知らなかった。しかし、生産者が途絶えてしまっていたため、10年以上前に有志で復興の活動を始めたようです。漆製品を開発したり漆の木の植樹をしたり。一本の漆の木から樹液が200cc採れるそうですが、採りきったらそれ以上は樹液が採れない。栽培にも10年以上かかり、なかなか手間がかかる伝統文化のようです。

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続いて大和当帰の畑へ。花が咲いてしまうと根を生薬に使うこともできず、食用できる葉も少なくなるのですが、こちらの畑では花が満開で採取の時期を逃してしまったようです(笑)。当帰の商品化を頑張っている金陽製薬さんもいらっしゃって、当帰の解説や当帰を使った健康ドリンクなどの商品紹介をいただきました。

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その場で、前日のキハダコーラとは異なる「大和可楽(ヤマトコーラ)」を試飲。うむ。うまい。ただ、味の方向性はキハダコーラと近く、いつか飲み比べをしたいところです。近くにホップがなっていて、ホップをつぶして香りを立てて炭酸で飲む、というレクリエーションも。うまい。良き香り。

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畑からてくてく歩き、ハッと気づけば目の前に料理が。お食事処が畑の近くだったのですね。右の写真の丸い皿は当帰の天婦羅ですね。当帰料理の定番。

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車とバスで少し山に登り、さらに徒歩で山道を歩く。すると、榧(かや)の木の群生地が。と言うか、榧のことを知りませんでした。80代の先生が言うには、戦後はお菓子もなく榧の実を煎ったりしておやつに食べていたそうな。榧の木が一人前になるには300年かかるそうです。え、300年?植樹したとして、その益を享受できるのはかなり先の子孫・・。

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最後のアクティビティは曽爾村から御所市に移動して、油長酒造さんへ。目玉は大和橘などを使ったお酒、KIKKA GIN。アルコール度数の高いメイン商品と、新しく開発した秘密の商品を試飲させていただきましたよ。うまうま。KIKKA GINは、1日目に紹介した、なら橘プロジェクト推進協議会と共同開発した商品だったと思います。

以上、とても急ぎ足でしたが、ツアーの紹介をさせていただきました。吉野葛・大和当帰・キハダ・大和のジビエ・漆・榧といった素材が登場しました。それらがどのように生産され、商品化されているか、その一端を学べたのではないかと思います。

ツアーの参加者には日本各地で起業されている方も多くいらっしゃいました。それらの方が奈良の薬草と薬膳をどう感じ、事業にどう取り入れてくれるか、楽しみです。

今回はコロナのこともあり、このイベントのことを大っぴらに告知はできなかったのですが、コロナ収束後は人数を増やして実施する可能性もあるようです。その場合、サトタケが運営する奈良の薬草と薬膳のフェイスブックグループでも紹介しますので、興味ある方は同グループに参加しておいてくださいね。

フェイスブックグループ「奈良の薬草と薬膳」へ